帯状疱疹後神経痛は、痛みが激痛なのと、体力、気力の消耗が激しいので、早急な痛みのコントロールが重要です。病院と針灸治療を併用される方がより効果的です。
*症例は、患者さん個人が特定されないよういくつかの症例を組み合わせ、内容に変更を加えております。
症例 60代・男性 右わきの痛み
症状
2ヶ月前、右胸から脇にかけて痛みがあり、3、4日して肌をみるとポツリとした赤い湿疹ができていた。痛みがだんだん強くなり、心配になったので近所の皮膚科に行ったら「帯状疱疹です。」と言われ抗ウィルス薬を服用した、痛みが強い時は、ロキソニンを飲んでいる。湿疹は、水泡~痂皮(かさぶた)形成して皮膚の状態が治った後も痛みが残り、皮膚科では、「帯状疱疹後神経の状態です。」と言われた。痛みは、突然やって来て痛いとうずくまってしまう、余りの痛さに、体調も悪くなり食欲もない、また、痛みが来ると思うと不安で気分も重い。現在、服用と注射で様子をみている。
所見
右胸から脇や背中かけて痂皮(かさぶた)形成跡が痛い。
痛い部分の皮ふは、やや赤みがある状態。
胃腸の活動も低下しているためか肌のかさつきがからだ全体認められる。
治療方針
帯状疱疹後神経痛のせいで、体調不良と精神的な不安感があり日常生活に大きな支障が出ている状態がうかがえる。痛みを和らげ、不安を除き、自律神経を整えて免疫力を強めて、体調の回復を促すことが大切です。
当院では、帯状疱疹後神経痛にたいして、針灸やJRCの効果を利用して症状緩和をうながします。
針は…帯状疱疹後神経痛の部分に針をします。
(痛い場所に針をすると針の特徴である鎮痛作用により痛みの緩和が期待できます。)
温灸で…帯状疱疹神経痛の部分を温めます。
(帯状疱疹後神経痛は温めて血流を良くすると痛みが緩和するので効果的です。)
全身の針灸治療で…みだれた自律神経を整えます。
(自律神経が整えられると免疫力も強まり、体調も回復に向かいます。)
JRC…くび肩の緊張を和らげ痛みによる精神的な不安感の緩和を促します。
治療
針灸治療(セイリン0.12-30、置鍼時間各10分、刺入深度4mm未満)
仰臥位…百会、安眠穴、右胸疼痛部に3穴、足三里、三陰交、神穴(箱灸) 抜鍼後手足に温灸器をかける。
右側臥位…右背中~脇にかけて疼痛部に10穴(棒灸で温めながら置鍼)、 承山抜鍼後、疼痛部ローラー針をかける。
JRC…頸椎(C1~4)
パイオネックス・ゼロ(置き針)…曲池、外関、足三里、三陰交
治療の経過
一回目の治療後、うずくまる程の激痛が、一日半なかったとのこと、週2回のペースで治療を行い、3回目の治療後は激痛もおさまり、「皮ふのピリピリした痛み」へ変わり、痛みが和らいできた。食欲も回復し気持ちも痛みが和らいだことで落ち着きを取り戻せた。痛みが、半分ぐらい治ったところで、1週間に一度のペースの治療間隔にして、針灸治療をして一か月半ほどで、痛みが無くなり治療を終了にした。
思ったこと
帯状疱疹後神経痛は、痛みの治療と免疫力を強めて体調を回復させことが、病期を短縮させることにつながると思いました。
*この、ブログはあくまでも、当院の臨床経験に基づくものです。同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。針灸の一般的な効果を意味する部分とは、異なる箇所もあります。
☎03-3694-1371 おぐち針灸院 〒124-0023 東京都葛飾区東新小岩4-23-2
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