三叉神経痛

顔の痛みを感じやすい部分
顔面の痛み(ひだり)

鍼灸施術の適応となる三叉神経痛は、顎関節や頸椎の関節周囲の筋肉の緊張、精神的なストレスによる顔面の筋肉の緊張などによって引き起こされる二次的な三叉神経痛です。(頭蓋骨内の血管が三叉神経を圧迫しておこる三叉神経痛は、手術の適応になりま す。)

 

症状は、三叉神経に沿った重苦しい痛みですが、顔面の神経は、感受性が強いので体幹の痛みに比べて痛みの感じ方が強いのが特徴です。痛みの持続時間も、一瞬から4~5分、一日とさまざまです。一度おさまっても、顎関節や頸椎の関節のゆがみ、精神的なストレスがあると再発することもあります。

 

当院の治療

三叉神経痛に対する当院の治療は、針灸とJRC(関節可動回復矯正法)を組み合わせたスタイルで症状改善を促します。

 

鍼は・・・

顔面のツボや三叉神経の走行に沿って鍼をします。鍼には、鎮痛作用があり、三叉神経痛には効果が期待できます。また、筋肉がゆるみ血流もよくなるので、顔面麻痺を起こしている神経の機能回復にも効果が期待できます。

 

全身の鍼灸で、自律神経を整える・・・

三叉神経痛の患者さまは、疲労などのストレスで、自律神経がみだれていることがあります。自律神経のみだれは、痛みが起きやすくなり、三叉神経痛の痛みの土壌を形成することにもなります。 自律神経を整えることは、症状回復の近道だと考えています。

 

JRC(関節可動回復矯正法)・・・

JRC(関節可動回復矯正法)で、くびの関節や仙腸関節の動きを回復して顔面部の血流や神経伝達機能を回復をうながします。

症例 60代 女性 右顔面の痛み

*症例は、患者さん個人が特定されないよう、内容に変更を加えております。

顔面の痛み(赤丸の部分)
顔面の痛み(赤丸の部分)

症状 

10年以上前から、右の顎や耳のまわり側頭部を中心に鈍痛を感じるようになった。今回は、3日前より痛い。整形外科などで診てもらったが、「特に異常はなく疲れが原因ではないか」と言われた。自分でも、疲れがたまってくると鈍痛を感じるような気がするとのこと。

 

10年前と痛みの強さは変わらないが、痛みがあると気分も憂鬱になるのでどうにかしてほしいとのこと。

 

鍼灸は、肩こりがあるので月に2~3回のペースで他院で治療してもらっている。肩は楽になるのだが、顔の痛みはあまり変わらないとのこと。 

治療と経過

問診の後、身体診察で体の動きを調べると、頸椎の一番目の関節の動きがわるいこと、右の奥歯に綿花をかんで首を動かすと頸椎の動きや、からだ全体の動きも滑らかになることから、「顎関節と頸椎の一番目のバランスの悪さが顔面の痛みの原因を作っているのかもしれません。」と説明しました。

 

頭や顔の筋肉も凝っていて側頭筋や咬筋などの顎関節に関連する筋肉が特に凝っていました。

 

施術は、頭や顔を中心にからだ全体を鍼灸で緩めた後、JRCで仙腸関節、頸椎、の動きを滑らかにして終了です。

 

施術後、顔の鈍痛は、「7割楽になった。」とのこと。その後、2回ほど施術をして痛みがとれたので終了にしました。

顔面神経痛の画像

鍼 ホットストーン

顔面神経痛の画像

鍼 ●温灸器 JRC


使っている針です。上のシャーペンの芯と太さを比較しています。
使っている針です。上のシャーペンの芯と太さを比較しています。
温灸器で筋肉を温めながらほぐします。
温灸器で筋肉を温めながらほぐします。
頸椎のJRCです。
頸椎のJRCです。

思ったこと

三叉神経を圧迫しておきる顔の痛み(三叉神経痛)は顎や首の関節のバランスが悪くても起きることがあります。この患者さんは、かみ合わせを診てもらうよう歯医者への受診もすすめました。

この症例は当院の臨床上の経験であり。同じ症状や病名でも人により施術効果に差があります。ご不明な点があればお気軽にご相談下さい。(*^_^*)