「肩関節が痛い!」「動かすと痛い!」「じっとしていても痛い!」
などの肩関節の症状でお困りの方、我慢せずに早めの治療をおすすめします。
来院患者さまは、肩のこのような場所に痛みを感じるようです。
五十肩は、正式には肩関節周囲炎と言います。人によって「五十肩は放っておいても治るから大丈夫!」などと言う人もいますが。痛みが治まっても肩の動きが回復せず関節が固まったままになり(硬縮)生活に支障をきたし手術をする人もいます。五十肩は、治療すると痛みが軽くなり肩関節の動きも回復します。結果的に硬縮を予防し病期の短縮につながります。五十肩は、治療が必要です。
症状
40歳以降に多く、男女の差はなく発症しています。
症状の特徴は、肩関節の運動(吊革につかまる、洗濯ものを干す、衣類の着脱、帯をむすぶ、髪を洗うなどの日常生活に必要な動作)の制限が強くなり、安静時の持続した痛み(夜間はさらに、激しく痛む)が特徴です。
病期は1年半~2年位の長期間です、最初の3か月は、急性期といって肩関節の炎症が強い時期で強い痛みを伴います。その後、慢性期に入り炎症も徐々に少なくなり痛みも引いてきますが運動制限が強くなってきます。
原因は、さまざまな説がありますがはっきりしません。当院では、肩関節を構成する筋肉、靭帯、関節に疲労が蓄積した結果、炎症を引き起こし五十肩の状態になるのだと考えています。
肩関節を支える腱(腱板)が傷ついたり、ケガなどで関節面のすり減りなどが原因で起こるいたみです。また、ゴルフやテニスなどのスポーツや仕事などで過度に関節にストレスがかかった時もおこります。
症状
肩の高さよりも腕が上がらない。腕を90°以上、挙げると痛い。肩ががくがくして不安定感がある。などがあげられます。
治療は、肩関節の治療と肩関節の動きを妨げていると考えられる、体幹の関節や筋肉の動きを回復させながら、肩関節の治療をすると効果的です。(例えば、腰痛や不良姿勢などで体幹の歪みがおきると肩関節の関節や筋肉の動きが悪くなります。当院では、身体診察で、肩関節と体幹の力学的なバランスを確認します。)
五十肩・肩関節の痛みに対して、針灸とJRCを組み合わせて治療をしています。
針で・・・
針には、鎮痛作用があり、肩関節の痛みがある筋肉や反応があるツボに針をすると鎮痛作用が発現し痛みが緩和します。夜間痛や肩を動かして痛みがある方に、有効です。
針をすると、局所の血流もよくなり、新鮮な血液と肩関節の周りに溜まっている血液(炎症や痛みをおこす疲労物質なども含んだ血液)と交換され症状の回復が進みます。
体幹の針灸で・・・
肩関節の動きを妨げていると考えられる、体幹の動きが悪い筋肉に針灸をします。筋肉の動きが回復すると、肩関節の動きも改善しやすくなります。腰やお腹を緩ませると、肩の動きが滑らかになる方もいらっしゃいます。
JRC(関節可動回復矯正法)・・・
肩関節と肩関節の動きを妨げていると 考えられる関節(脊椎、仙腸関節、股関節など)の矯正をします。特に、仙腸関節の矯正は、肩関節の症状改善に効果的です。
*症例は、患者さん個人が特定されないよう、内容に変更を加えております。
症状
半年位前より右肩が痛くなってきた。痛くなった原因は特に思い当たらない。現在、夜の痛みはないが、ばんざいすると肩関節の前面と後面に重い痛みがあって肩が上がりずらい。また、手を背中に回したり、シャツの袖を通すのも痛い。痛くなると「ジンジン」して痛みが治まるまで2~3分かかる。また、仕事はクリーニング屋のため立ってアイロンをかけることが長い、そのせいか、腰も痛くなってくる。肩こりも元々あるが右肩が痛くなってきてから肩コリが強く感じる。
治療と経過
右肩の炎症症状はない、仕事でのアイロンかけ、洗濯物の搬入などで右肩の使い過ぎ、背中腰の柔軟性がなく猫背で体を後ろに反らせると腰に痛みを感じる。右半身に筋肉の緊張がかたよってあらわれている。針灸、JRCで肩関節の筋肉と関節の動きを整える。あわせて肩関節に負担をかけていると考えられる体幹の筋肉と関節の歪み(肩こりや腰痛)をととのえる。
一回の治療でばんざい動作での痛み消失、手を背中に回すと治療前より楽だがまだ痛みがあるとのこと。以後不定期に通院中。自宅でできる体操を指導しました。
思ったこと
今回の肩の痛みは、長年の仕事(クリーニング)による、不良姿勢が、肩の関節や筋肉に疲労を蓄積させたために痛みが起こったのではないかと考えられます。