「現代はストレス社会だ!」との声を聞いて久しいですが、当院でも、精神的なストレスを抱えている患者さまがとても多くいらっしゃいます。また、その傾向は増えつつあるといえます。肉体的、精神的なストレスを受け続けると自律神経がみだれて、いらいらやこころの疲れがつよくなったり、体調不良を感じるようになる自律神経失調症の状態になります。
自律神経失調症になると以下のような症状を感じることがあります。
自律神経失調症は、ストレス社会の今日、非常に多い症状です。当院の来院患者さまの8割に自律神経の不調がみられます。
当院では、針灸とJRCを組み合わせた治療で自律神経のみだれを回復させ症状の改善を促します。
全身の針灸で・・・
自律神経のみだれが起こると、体幹、頭、手足のツボに病的な反応があらわれます。反応があるツボに、針をして自律神経の切り替えを促します。また、針と併用して温灸(温灸器や箱灸、ホットストーン)などでツボを温めます。温めると血流が良くなり、緊張している自律神経を緩め症状の緩和に効果的です。
JRCで・・・
自律神経のみだれによって動きが悪くなっていると考えられる頚、背骨、仙腸関節の動きをJRCで回復させます。 関節の動きが回復すると、自律神経の機能も回復し、症状緩和に効果的です。
*症例は、患者さん個人が特定されないよう、内容に変更を加えております。
症状
以前から腰に鈍い痛みがあり整形外科などで検査をしてもらっても原因が分からないまま過ごしていた。一年くらいまえから腰の重だるい痛みが強くなり右の足もしびれるようになり、近所の針灸院で針をしてもらい症状がおさまった。二か月前から急に腰の重だるい痛みが再発した。「パートと家族の介護の両立で疲れたのかな?」とのこと。
身体診察により、以下の症状があることがわかりました。
治療と経過
介護とパートの両立による精神的なストレスが自律神経をみだれさせ全身の不調を引き起こしていると考えられる。腰の重だるさも自律神経のみだれによる筋肉の緊張だと考えられる。腰の重だるさ以外にも身体診察で不調なところがいろいろあり、お話を聞いていると介護の精神的な負担の大きさを感じました。
針灸治療で、自律神経をととのえます。針は浅めに刺し、箱灸、温灸器、ローラー針、ホットストーンを組み合わせて施術します。針灸のあとに、JRCで仙腸関節と背ぼねの関節と、くびの関節の動きを回復させて終了です。
治療後は、腰の重だるい痛みがほぼなくなったとのこと。「からだも軽くなりホッとしました」とのこと。現在、月に2回程度の通院をしています。
思ったこと
自律神経のみだれによる症状は、生活環境をかえることが一番だと思いますがなかなか簡単にはできないのが現実です。針灸、JRCの治療により、自律神経をととのえてストレスに強い体にすることも一つの方法だと思います。治療が「生活の質」を支えるお役にたてればと思い日々の治療に努めています。
このページの症例はあくまでも当院の臨床上の経験であり、同じ症状や病名でも人により効果に差があります。